@松尾芭蕉作『野ざらし紀行画巻』の文字ならびに絵を克明
に分析することで、この作品が「一念一動(心象)」の記
録を目指す新規の文学作品である事を突き止めている。
A芭蕉文字データベースを起動して仮名文字の揺らぎ(字体
の変動)を抽出し、使用率、合理化率、装飾率の指標を用
いて、各写本の系統と序列とを識別している。
B仮名文字の「揺らぎ」を手掛かりとして、目立った文字で
文脈の要所をマークアップする文字型修辞法を洗い出し、
そのマークを標識として文脈の要所を読み進むフィードバ
ック型の読書が実行されている。
C本書を読む者には文字と言葉の奥深い不思議を実感させて
くれる。
序 章 本書の目的と意図
第1章 『野ざらし紀行』表現論
第2章 『野ざらし紀行』用字論
第3章 『野ざらし紀行』系統論
第4章 誤解された『野ざらし紀行』
第5章 終りに
索 引
付 表
付録CD 『野ざらし紀行』文字データベース
文字切り取りシステム
データベース簡易入力システム
『野ざらし紀行』参考文献目録 その他
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